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テクニック13:タッチング

タッチングのテクニックは「認知の混乱」(第1のステージ)の人にはあまり適当ではありませんが、「日時、季節の混乱」(第2ステージ)の人にはかなり効果的です。「日時、季節の混乱」にいる人は、自分を防御する能力が失われ、視覚や聴力も衰えていることが多いのです。

目や耳からの刺激が閉ざされると、他の方法で他人の存在を感じる必要があります。お年寄りは時間の感覚を失うと、殆どの人を見分けることができなくなります。昔から知っている人と、前に一度もあったことのない見知らぬ人と区別することができません。「日時、季節の混乱」にいる人は、自分の世界に見知らぬ人を簡単に招き入れることができるため、バリデーションを行うケアギバーはすぐに彼らの大好きな人になることができます。

繰り返し動作」(第3ステージ)にいる人は、もはや自分がどこにいるのかもわからなくなり、自分自身の殻の中に閉じこもってしまいます。このようなお年寄りとコミュニケーションするためにケアギバーは彼らの世界の中に入り込み、愛する人が彼らに触れたのと同じように、優しく触れる必要があります。「日時、季節の混乱」の人とタッチングをする時は、必ずお年寄りの正面からアプローチし、後ろや横の方から近づいて驚かせてはなりません。

優しく触れてあげる事によって、とても楽しかった子供の頃の記憶が呼び起こされることがよくあります。ケアギバーは、次に上げるテクニックを使って「繰り返し動作」にいる人と速やかに親密な関係をを築きあげる事ができます。

  • 指先を使って、軽く上の頬をゆっくり円を書くように撫でる
  • 指先を使って、程よい強さで頭の後ろを円を書くように触れる
  • 手をカップ状にして、首の後を両手で小さく円を書くようにマッサージする
  • 両手で肩と背中をさする
  • ふくらはぎをさする

他人と触れ合うということは、愛情表現の行為の一つです。しかしケアギバー(家族も含めて)は、たとえお年寄りがすでに自分自身をコントロールできなくなっているとしても、彼らが触れられたくないと思っていないかどうかをいつも考える必要があります。

身体的な接触に抵抗するような様子が何かあった場合は、タッチングは適当でないと判断すべきです。すべての個人が持つ空間は、たとえその人が見当識に障害があるかないかにかかわらず、常に尊重されなければなりません。